尿膜管闘病記⑨ ~ロキソニンジャンキー~
痛み止めロキソニンに頼る1日。
◆12/6水曜日
朝になってもまだガスが出ない。布団の中で出来るだけ動き回って、腸を刺激するも出る気配なし。
回診で先生がいらっしゃる。主治医の先生、外科部長の先生、若い女性の先生。
若い女性の先生がまず、お腹のガーゼを外し様子を見る。ぼくはお腹の傷が怖いので顔を背けている。
すると、急にお腹に激痛!いきなりお腹の傷のどこかを触られたらしい!
思わず腕をひっ掴んでしまった。今考えると申し訳ない気持ちだけど、やはりいきなり触る方も悪い!痛かった。
ちなみにお腹の傷の状況を説明すると、へその直下から8センチくらい縦に切られており、これが縫われている。
おへそのところには、細めのストローのような管が刺さっており、そのストローに洗浄用の水を入れて傷を洗う。へそストローだ。先ほどの女医さんは、このストローを触ったようだ。怖くて、見ていないので想像だけど。
また、右脇腹には、1.5センチほどの穴が開けられており、ここにドレーンがつながっている。
この朝の回診では、傷の洗浄とガーゼの交換をしてもらう。痛くはない。最初の女医さんのだけ痛かった。
回診が終わり、パラマウントを45度くらいにして、スマホを見ているとものすごく小さいおならが出た。うれしい!
同じ病室のおじさんたちは、誇らしげにぶっ!ぶっ!とやっていたので仲間入りできた気分だ。
これで、腸が動き始めたということなので、ご飯を出してもらえる!
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病室が移動になるとのこと。
比較的、病状が安定した患者の入る病室のようだ。ナースステーションや、エレベーターからは一番遠い位置になる。
病室引越し中は、がんばって歩行訓練。さっき手術後、初めてのガスが出たので、やる気も上がる。
病室引越し後は、快調におならが出る。
ここで、ガスを出す度に、例の『おちんちんの裏から肛門にかけての痛み』が激しいことが判明。
この痛みは、小・中学生がふざけてやるカンチョーがクリーンヒットしたときの痛みだ。つまり、失神しそうなほど痛い。
看護師さんに伝えるも、うまく伝わらない。全力でカンチョーされたことがある人は、どれだけいるのか?
とにかく、この日は病棟をひたすら歩いて、痛みに耐えながらガスを出しての繰り返しだった。でも、ガスが出るとお腹のハリが緩和され、体自体は楽になった。
ちなみに、この日まで痛み止めのロキソニンは6時間置きに欠かさず飲んでいた。
尿膜管遺残による腹痛で動けなくなったのは、先週の土曜日で、この日から5日間に渡ってロキソニンに頼り切った生活をしている。
ロキソニンを飲まないと不安で仕方ないという感じだし、実際、ロキソニンを飲んでから6時間くらいするとお腹の痛みがきつくなりつらい。
夜。
ロキソニンのおかげで、スムーズに眠りに落ちる。
が、夜22時前、痛みで目覚める。そこで、ナースコールでロキソニンを要求する。これまでなら、普通に痛み止めをくれたのだが、何故かこの時から渋くなる。
僕は6時間置きなら痛み止めを、もらえるつもりでいたので面食らう。看護師さんいわく、一日、3錠までとのこと。理由は胃に負担をかける薬だからと。
確かに今日は、夜中の3時くらい、朝の9時くらい、昼の15時くらいと、きっちり6時間おきに、すでに3錠飲んでいた。でも、一日3錠なんて聞いていない!
ロキソニンジャンキーとなっていた僕は絶望した。
ナースコールで来てくれた看護師さんに、痛みの程度を10段階で問われる。少し悩んで『5』と回答。今でも妥当な値と自負。
『結構、痛むんですねー』と言いつつ、痛み止めはくれずにどこか行ってしまう。厳しい。
仕方ないので、日付けが変わるまで我慢する覚悟を決める。00時00分になったら速攻でナースコールしよう。いま22時なので、2時間の辛抱だ。
と、せっかく覚悟を決めたが、さっきの看護師さんが点滴の痛み止めを持って来てくれた。
この点滴の痛み止めは、中毒性のあるものなので、あまり乱用はできないが、これまで飲んでた痛み止めと違い胃への負担は少ないので、使ってくれるとのこと。ありがたい!
点滴の痛み止めで、一気に楽になり眠る。
夜中の2時くらい。また痛みで目覚める。
日を跨いだので、ロキソニンがもらえるはず!とナースコール。しかし、先ほどの点滴の痛み止めの効果が残っているはずだからと、またしても痛み止めもらえず。。。
完全にロキソニンジャンキー状態だ。
しかし、確かに点滴の痛み止めの効果は残っているようで、眠れない痛みではない。どうにか浅い眠りにつき、朝まで寝ていられた。
土曜日に尿膜管遺残によるお腹の激痛で倒れてからで考えると、一番安眠できた夜だった。これでも。